被写体にギリギリまで近づいて、顕微鏡のような世界を撮影できるマクロレンズ。このマクロレンズでペットを撮影したいと思われる方も多いのではないでしょうか。
顕微鏡大好き、筆者ももれなくその一人で「マクロレンズって実際どうなの?」と思っていました。そこで今回は、オリンパス社製のマクロレンズ『M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro』と『M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro』を使ってペットを撮影し、写真を比較してみましたのでご紹介したいと思います!
目次
自分のカメラに適合するか確認:「マウント」のチェックのみ
レンズ側をチェック
ズイコーマクロレンズの「マウント」は『マイクロフォーサーズ』
マクロレンズのマウントはマイクロフォーサーズ(MicroFour Thirdss)という規格になります。オリンパスとパナソニックが制定したこれはミラーレスカメラレンズの共通規格で、メーカの枠を超えて使えるものにしたというものです。
カメラ側をチェック
自分のカメラの「マウント」が『マイクロフォーサーズ』であればそのまま使える!
続いて自分のカメラ側のマウントを確認します。マウントはカメラの型番で検索して出てくるWebサイト等から調べることが出来ます。筆者の場合は『OLYMPUS PEN E-PL10』と『PENTAX Q』というカメラを持っていますので、今回はPENTAX Qについて調べてみました。
あれ、使えなさそう・・
PENTAX Qは残念ながらレンズマウントが「Qマウント」という特殊なものであり、そのままでは装着できないことがわかりました。では使えないのか?というと必ずしもそんなことはありません。
残念ながらPEXTAXQはあまりにも古くて特殊すぎてどうやっても使えなさそうということがわかりましたが、他のメジャーなカメラであれば、マウントを変換するための「アダプタ」があればレンズをはめることができます。「はまらなかった・・」と絶望する前に、アダプタを検討してみるのも良いかと思います。
合わない場合はアダプタを購入しよう
下は「PENTAX Kシリーズ」のアダプタです。「Kマウント」というマウントを採用していますが、このアダプタを装着すると「Kマウント」から「マイクロフォーサーズマウント」に変換できるため、ズイコーのマクロレンズを使用することが出来るのです。
【比較】30mm・60mm・レンズキット同条件で撮影!
実際に撮影してみた写真をご紹介します(写真撮影についてはまだまだ勉強中のため、プロ写真家とは異なることをご了承くださいね)。
撮影条件
カメラ:OLYMPUS PEN E-PL10
絞り優先モード(A)、F値:3.5、ISO感度:640
レンズ:①60mmマクロ、②30mmマクロ、③M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6デジタルズーム(レンズキット)
ペットまでの距離:約50cm
ペットからの距離約50cm、同じ位置で撮影しました。画角の違いがわかるかと思います。60mmマクロはうさぎさんの耳の部分だけ写りましたすが、30mmマクロになるとうさぎさんが画角におさまってきます。ズームレンズはより画角が広く、後ろの背景まで入りました。
60mmについては離れていても近づいたかのように耳が撮れる、一方で画角がせまくなる。その反対が30mmであるという印象ですね。
他のカメラに画角を合わせる
続いて、カメラごとに撮影位置を変え①60mmマクロは引きで、②30mmマクロと③ズームレンズは耳を大きく写すことを意識してみました。60mmマクロは約1mうさぎさんから離れましたが、背景までは写りませんでした。
30mmマクロは、うさぎさんとの距離わずか2cmほどで、ようやく①60mmマクロと同様の画角になりました。被写体にかなり近づいて撮ることができますね。ズームレンズは耳の拡大に限界がきて、少し離れた写真となりました。このときうさぎさんとの距離は約20cm程度です。
60mmマクロレンズも30mmも普段は撮影できないうさぎさんのふんわりとした毛が、ぐっと際立って味のある写真を撮ることができますね!
結論
初心者・料理も撮る・ペットまでの距離が取りづらい→『30mm』がおすすめ
まずはマクロ撮影をしてみたい、という方はもちろん合わせて普段使いもしたい方には30mmがおすすめです。ワンルームですと、60mmでは被写体と距離を取るのが少し難しかったです。30mmの方が画角が広いため料理などの撮影にも向いています。より普段のカメラと同じ感覚で扱うことができるタイプと言えます。
本格マクロ派・ペットからの距離が1.5mくらいとれる→『60mm』がおすすめ
60mmは小さいものをより大きく写せる、本格的なレンズです。F値も2.8まで落とせるためより背景ボケが強調されて、ペット撮影時はよりふんわり感が出ます。一方で画角が狭いため、被写体との距離が思っていたよりも必要となります。外で使う分には全く気になりませんが、家ではペットとの距離がある程度取れないと苦しいかなという印象でした。また、お店で料理を撮る際は、画角におさまらないため30mmの方が向いているかと思います。のちにベランダでペットを撮影した写真を紹介していますが、それくらいの距離があればちょうど良いと感じました。
両方購入した筆者の感想:どちらも購入してよかった
なによりもまず、マクロレンズ自体を購入してよかったと思いました。このズイコーマクロレンズ自体は界隈では安い安いと言われていますが、筆者からすると高級品の様に感じていました。買うべきかどうか・・
これまでレンズキットに付属されているズームレンズしか使ったことがなかったのですが、いざマクロレンズを使ってみると、うさぎさんのおひげや耳のふんわりとした毛、奇麗な目がくっきりと写って、こんな素敵な写真を残しておけるのかという気持ちになり、とても嬉しくなりました。
筆者の場合は、ワンルームのためそこまで室内が広くなく、ペットとの距離の確保が少し難しいのです。そのため、60mmマクロレンズだと室内での普段使いは少し難しいかなと感じました。思ったよりも、被写体に対してそれなりに後ろに下がらなければならないなと感じました。ここで30mmレンズに変えると、調度良い画角に収まりました。
また60mmでケーキを撮影しようとしたところ、近すぎて画角に収まらない問題が発生し、30mmに交換しました。
一方で、マクロレンズとして近接距離で接写する場合は60mmの方が圧倒的に奇麗な背景ボケになります。ぐっと近づいたときに、素人目にみてもわかるくらいに背景のボケ方が奇麗で「プロっぽい」印象になりました。とはいえ、30mmマクロレンズも奇麗な背景ボケが出ることに違いありません。
同じようなレンズなのかと思いきや「似て非なるもの」ですので、室内・屋外などシーンに合わせて使い分けたいと思いました。是非みなさんの使い方に合わせて選んでみてくださいね。
あれも試してみたいし、これも撮ってみたい・・
レンズによって写り方が全然ちがうから、色々撮ってみたら楽しそうだね!
スペック比較表
続いて詳細なスペックを横並びで見てみたいと思います。大きな違いはやはり画角が異なるのと、F値が3.5か2.8かというところです。
重さは約60gの違いがありますが、普段使用している汎用レンズに比べると意外と60mmの185gは重いように感じました。ただ、慣れてしまえば全く気になりません。
M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro | M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro | |
---|---|---|
焦点距離 | 30mm(35mm判換算60mm相当) | 60mm(35mm判換算120mm相当) |
レンズ構成 | 6群7枚(DSAレンズ1枚、EDAレンズ1枚、非球面レンズ1枚) | 10群13枚(EDレンズ、HRレンズ2枚、E-HRレンズ) |
フォーカシング方式 | ハイスピードイメージャAF (MSC) | ハイスピードイメージャAF(MSC) |
画角 | 40° | 20° |
最短撮影距離 | 0.095m | 1.0倍(35mm判換算 2.0倍相当) |
最大撮影倍率 | 1.25倍(35mm判換算 2.5倍相当) | 17 x 13mm |
最近接撮影範囲 | 13.9 x 10.4mm | 7枚(円形絞り) |
絞り羽枚数 | 7枚(円形絞り) | Ø46mm |
最大口径比 | F3.5 | F2.8 |
最小口径比 | F22 | F22 |
マウント規格 | マイクロフォーサーズシステム規格 | マイクロフォーサーズシステム規格 |
フィルターサイズ | Ø46mm | Ø46mm |
最大径×全長 | Ø57x 60mm | Ø56 x 82mm |
質量 | 128g | 185g |
同梱品 | レンズキャップ(LC-46)、レンズリアキャップ(LR-2)、取扱説明書、保証書 | レンズキャップ LC-46、レンズリアキャップ LR-2、取扱説明書、保証書 |
新品価格目安 | 35,000円 | 50,000円 |
中古価格目安 | 25,000円 | 35,000円 |
一緒に購入した方が良いと思ったもの:レンズカバー46mm
レンズはむき出しになっていますが、室内ではあまり気にせず使っていました。しかしほこりが気になるのと、外に持ち歩こうと思ったときにレンズのカバーが必要だと思いました。
46mmタイプであれば純正でもそうでないタイプでも大丈夫で、筆者は以下の2タイプを購入してみました。
①非純正:ケンコー Kenko46 S MC プロテクター NEO
②純正:オリンパス OLYMPUS PRF-D46PRO
どちらも問題なくはまりました。そのままキャップも付けられます。価格は純正で約2,000円、非純正で1,300円ほどです。一緒に買っておいたらよかった、と思ったアイテムです。
買ってよかった!可愛い・使いやすいショルダーカメラバッグ
こちらは、カメラレンズを外に持ち歩こうとしたときに、傷つくのいやだなあ・・と思い購入したバッグです。トートバッグにもショルダーバッグにもなります。
この色味とデザインが絶妙にかわいらしい。そしてかわいらしいだけでなく、幅も奥行きもスッキリしていてレンズ以外にも小物が入れやすいのがうれしいです。また中の仕切りはマジックテープでついていますので、好きなサイズにカスタマイズできるのがとても便利です。
筆者はAmazonで4,000円ほどで購入しましたが、このお手頃な価格も嬉しいです。カラーラインナップは3色あり、どれもおしゃれな色合いになっていますので、おすすめです。
おまけ:その他比較写真
花
小物
景色
その他
さいごに
今回は、オリンパス社製のマクロレンズ『M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro』と『M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro』を使ってペットを撮影し、比較した結果をご紹介しました。とにかくマクロレンズが楽しく、これまでズームレンズで一生懸命うさぎさんをうまく撮ろうと頑張っていましたが、このレンズに変えて世界が変わりました。
外で顕微鏡のような形で使ってみる、というのもまた楽しそうでこれからどこへ行こうかと考えております。
撮影の腕はまだまだであり、アドバイスなどありましたら教えていただけると幸いです。この記事が参考になりましたら、是非下のボタンからツイートよろしくお願いいたしますね!
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